保健教育の課題−詳細

2006.04.03 Mon

先日お話した保健教育の課題について

・保健ボランティアによる村人への教育

現在では毎月2回ほど
保健ボランティアが村人へ保健教育をおこなっています。
伝えるだけでもある程度の効果はありますが
知識から行動への移行は
一方的に「教える」だけでは達成できません。

保健ボランティア自身が
どのようにしてメッセージを伝えていくのか
その計画を立ててもらう必要があります。

また保健ボランティア一人が村で奮闘しても無理があるので
仲間を見つけてサポートをしてもらい
保健教育以外の活動(たとえば村の清掃など)へと
村としてつなげていくことができればよいと考えています。

伝えるための戦略がないのも問題です。
何がよいのかまだわかりませんが
たとえば、村人全体を対象とするのか
母親や子どもなど対象を絞るのか
トピックに応じた対象戦略を見直す必要がありそうです。

・保健ボランティアの研修

保健ボランティア→村人の流れと同じですが
スタッフから保健ボランティアへの研修も
単にメッセージを伝えるものとなっている気がします。
研修のプログラムの組み方にはとくに注意し
参加者に応じた手法を使うのはもちろんのこと
研修の少なくとも半分の時間は
保健ボランティアが村人へどうメッセージを伝えるかという
「練習」に費やす必要があります。

・保健ボランティアの評価(自己・相互)

これは研修の中に組み込むべきことですが
保健ボランティアが自身の学びや成長を確認し
必要な改善を自分で工夫して加えていくためにも
とくに自己評価の枠組みを確立する必要があります。

まずは「ねらい」を明確にして
それを達成するための方策を打ち出し
スケジュールに落とし込んでいく。
同時に、評価の基準も自分たちで設定してもらいます。

さいごに、
保健ボランティアの研修やサポートは
スタッフがおこないますので
彼ら自身の能力を向上させるのも大きな課題です。

保健ボランティアに評価を求めるのであれば
わたしたち保健教育スタッフも同じように
自分たちの評価をおこなってモデルを示すべきです。

評価は保健ボランティアだけでなくスタッフにとっても
学びと成長を促す手段ですので
これを機会にぜひ「本物の評価」を導入したいと考えています。

  1. 2006/04/03(月) 23:20:18|
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保健教育チーム会議はじまる

2006.04.05 Wed

どうも忙しくなると
気持ちの余裕がなくなってしまします。

わたしの場合
自分がファシリテートする研修、ワークショップ、会議が入ると
それで頭がいっぱいになって
なかなかブログ更新することができなくなります。

きょうから保健教育チームの会議が始まりました。
昨年9月から業務を開始した4人と
最近始めた3人のスタッフが顔を合わせました。

古株の4人は7ヶ月ぶりの再会です。
このチームは平均年齢が30代半ばと若く
冗談が飛び交う中、よい雰囲気で議論ができます。

新しいスタッフが加わってのチームですので
きょうの会議ではとくにお互いに打ち解け
チームとして機能するように力を入れました。

また現場では様々な問題があるようで
古株たちの口からどんどん出てきます。

つまらないことですが
あるエリアでは活動資金の到着がつねに遅れ
予定どおりに保健教育ができないとか
保健教育に関する村人の関心が低いだけでなく
プロジェクトの中での認識も総じて低いとか。

保健教育チームは契約スタッフで構成されており
その他のプロジェクトスタッフからすると
どこか「副次的」活動と位置づけられているようです。
このため、現場スタッフの士気が低くなるとか。

契約スタッフからすれば自分たちも同じCDRTスタッフなのに
給料や待遇には歴然とした差があって
しかもエリアによっては立場も弱く
どうしても納得がいかないようです。

保健教育の意義をもう一度確認するとともに
保健教育スタッフの待遇面も見直して
現場スタッフと村人双方の「やる気」を高めるには
どうすればいいのか考える必要がありそうです。

  1. 2006/04/05(水) 23:12:18|
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保健教育チーム会議−自己評価

2006.04.08 Sat

4月5日から7日まで実施した
保健教育チームの会議の評点は
60点といったところでしょうか。

点数が低い理由は
いちばんの目玉にしようと思っていた
スタッフの自己評価のための計画が
あまりうまくできなかったことです。

保健教育でも他のコンポーネントでも
村の生活・生計改善の鍵を握るのは
村人と直接かかわるスタッフだとわたしは思っています。
ですから、
わたしも含めスタッフ自身の成長が求められています。

スタッフが学んで成長するためには
他人がどうこう言ってどうなるものでもありません。
まずは自分でその必要性を感じて
成長することの喜びを知ってもらうことが肝心です。

そのために「学びのための評価」を
保健教育チームでは
取り入れることにしました。

保健教育を成功させるために
自分は何を学んで、どんなふうに成長する必要があるのか
ということを明らかにして自分で評価するのです。

ただ、これがなかなか難しかったです。
目標が見えていなければ
目標にたどり着くことができないのはわかっているのですが
その目標を設定するのが難しい。
わたし自身も自分がどう成長すれば
スタッフの成長を助けることができるのか
具体的な考えはなかなか浮かんできません。

自分の中でずっと考えてきたのですが
会議までに答えは出ませんでした。
それでもこの機会を逃してしまうと
この種の評価を導入することはできないので
議題としないわけにはいかない。
参加者には3-4人のグループで
保健教育スタッフとしての
各自の自己改善計画を考えてもらいました。

出てきたアイデアはそれほど悪くもなかったのですが
いまひとつ具体性に欠けるものでした。

彼らが現場へ戻るまでには時間がもう少しあるので
知識、技能、態度という三つの面で
各自の目標をもう一度定義しなおして
そのための評価基準を設定し
水曜日に個人面談という形で
現場へ持って帰るための最終版をつくります。
わたし自身も自分のものをつくります。

一方でよかったこととしては
わたしたちの中で新たな「覚悟」ができたこと。

まずわたしの中では
自分の目の前にいる保健教育スタッフ7人の一人ひとりを
サポートしていこうという覚悟です。

そのためにはやはり
会議や研修をやって終わりということではなく
現場へ送り出した後でも
いろいろな形でサポートを続けていくことが大切です。
なかなか現場へ足を運ぶことは難しいので
ジャーナルの交換というインフォーマルな形での
情報の共有とフィードバックをすることを
していこうとスタッフとは約束しました。

会議開催中には1日の終わりに
その日に感じたこと、学んだこと、疑問に思うことなどを
ジャーナルとして書き留めて、提出してもらいました。
内容はまだまだ漠然としていますが
フィードバックを続けていくことで
スタッフの学びと成長に貢献できるという感触を得ました。

同じような覚悟はスタッフの中にも生まれたでしょうか?

スタッフの中では
各村の保健教育ボランティア一人ひとりの成長をサポートしていく
という明確な目標を共有することができた気がしています。

以前は、村人の健康状態が改善するという
かなり大きな目標を掲げていましたが
わたしたちがやっている保健教育のデザインを考慮すると
これはいささか無謀な目標でした。

プロジェクトデザインからいうと
わたしたちが本当にやろうとしている(できる)ことは
各村に保健のリソースパーソンを育成することで
その先の健康状態の改善というのは
いまのやり方でも実際に何らかの改善はありますが
それを目標としてしまうのには無理があります。

目標が実際にやっていることとかけ離れていると
活動が方向性を失ってしまう恐れもあります。
わたしたちの活動を確実に村のために活かすためにも
目標をより具体的に定義しなおし
保健教育ボランティア一人ひとりの
学びと成長をサポートすることとしました。

そして学びと成長ということからいえば
スタッフであろうと村人であろうと
原則は同じですので
まずは自分から始めて
それを他の人へと広げていくことが大切です。

こういった認識は会議である程度は共有できましたが
果たしてどこまで現場で実践されていくのか
コミュニケーションを密にして
サポートを継続させていくつもりです。

  1. 2006/04/08(土) 23:39:18|
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学びと成長を自分で起こす

2006.04.09 Sun

テストだけでは測れない! 今週の本

吉田新一郎 著
『テストだけでは測れない!』
生活人新書(2006年3月)

【今週の名言】
「測定(テスト)と評定(通知表)と評価
 (測定の結果を踏まえて、
 改善のための方法を具体的に考え、そして実行すること)
 を長年混同しつづけていることが、
 生徒たちの学びや教師の指導(教え方)を
 停滞させたままにしている大きな原因なのではないか」p.24

わたしは5、6年ほど前から
評価について考えてきました。
援助を受ける住民の「学び・成長」(変化)と
援助をする側が望む「説明責任」という
ある意味では水と油のようなものを
混同してきた気がします。

国際協力では援助の効率性や効果が問題とされますが
それと住民の学びや成長を一緒に評価する方法を考えて
ずっと悩みつづけてきました。

「本来、テストを含めた多様な評価は、
 学びをよくしたり、
 成長を助けるための手段であるはずです。
 しかし、一般的にはそのように解釈されず、
 結果的に「出来・不出来」を
 判断することを中心とした機能しか果たしていないというのは、
 極めてもったいないことです」p.25

評価の目的も対象も違うのですから
「学び・成長」と「説明責任」を
同時に満たそうとするのは無理だったのかもしれません。

それはさておき
本書は「人を伸ばす」ことを主眼にした「評価」についての
概念・考え、利点・弱点、方法・ツールなどが紹介されています。

評価とはよりよい成長を助けるものだ
ということが本書を読んでよくわかりました。

対象は主に子どもと教師ですが
本質的には大人の評価もまったく同じことです。
開発支援事業でも
活用できるアイデアが満載です。

評価の手法に多くの紙面が割かれ
(「なぜ」その手法かということも含め)
以下の3つが紹介してあります。

・パフォーマンス評価
・ポートフォリオ評価
・プロセス評価

パフォーマンス評価とは
最終成果品をつくり出すことと
その過程を通じて学んだことや成長した軌跡を
ふり返って、足りない部分を補い
目標への橋渡しを手助けしてくれる手法です。

「ポートフォリオ」とは
作品を入れておくための紙挟み・折鞄という意味です。
転じて、
生徒が学びの過程でつくったものを記録として残しておき
その努力や学びの過程を見ようとする評価です。

プロセス評価とは
いつでも、どこでも、かんたんにできる評価で
生徒が学んでいる好機をとらえて
教師が働きかけるさまざまな手法が含まれます。
周到な準備が必要ではないぶん
状況に合わせて柔軟に多様な手法を使うことが求められます。

本書ではこれらの評価で使えるツールが
たくさん紹介されています。
わたしもスタッフと一緒にまた自分自身で
すぐに実践してみようと思いました。

「アクションを通してこそ、
 私たちは一番よく学びます。
 教師を含めたいろいろな立場のリーダーが、
 それをモデルで示さないわけにはいきません」p.194

【パフォーマンス評価】
○プロジェクトないしテーマ学習、契約 p.58
○口頭試問 p.72
○チェックリスト p.75
○評価基準表のつくり方 p.79

【ポートフォリオ評価】
○「作家ノート」「生活ノート」p.91
○ポートフォリオの振り返りシート p.93
〇生徒がリードする三者面談 p.96

【プロセス評価】
○生徒の作業や活動の「観察」p.120
・1日5−6人ずつに絞るアプローチ
・1枚の紙に一人の生徒をのことを書くアプローチ
○自己評価(イギリスの例) p.129
〇質問−高いレベルの思考を促す、鍵となる質問 p.142
○質問に焦点を当てた授業観察シート p.149
○ジャーナルその1 生徒による授業記録 p.153
○ジャーナルその2 教師側のジャーナル p.155
○相互評価「批判的な友だち」 p.160
○フィードバックの三条件 p.172

吉田氏はこの本をもって
「教える、学ぶ、評価する」という三部作を完成させました。
三作に共通するのは人の学びと成長です。

これらは誰もが大切と感じる価値観ですが
後回しにされることが多いのではないでしょうか。
それはわたしが関わる現場でも顕著で
村人やスタッフの育成とはいいつつも
やっていることは正反対ということが多々あります。
そうした現状を少しずつ変えていくためにも
これらの本は大きなヒントを与えてくれました。

「少なく」を「確実」に(p.194)実行していきます。

過去に紹介した吉田新一郎氏の本
学びで組織は成長する
効果10倍の<教える>技術

  1. 2006/04/09(日) 23:08:18|
  2. 読書ノート2005-06|
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水かけ文化

2006.04.10 Mon

ただいま「正月気分」いっぱいです。
こちらの人たちの顔にも笑みがこぼれます。

きょうは上司のプロマネが帰国し
ヤンゴンスタッフも一人また一人と
休みに入っていきます。

明日から休みに入る秘書や女性スタッフが
「これはミャンマーの習慣だから」といって
オフィスでみんなに水をかけていました。

なぜか冷蔵庫でギンギンに冷やした
ペットボトル入りの水を持ち出して
「さあ、さあ」とわたしも廊下へと連れ出され
首筋の後ろから水をジョバーとかけられました。

いくら暑いとはいっても
背中へとつたわる水の冷たさに
「おわーっ」
不覚。

ミャンマーに来てから3回目の水祭りですが
水をかけられたのは初めてです。

水祭りの休み期間中は
お寺にこもる人も多く
わたしも2年前の水祭りのときは
5日間お寺で瞑想をしていました。

あれからもう2年も経ちました。
早いものです。

わたしも13日の夜に帰国します。

  1. 2006/04/10(月) 23:14:18|
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