保健教育の実施体制

2005.06.14 Tue

こちらへ来てもう1年と3ヶ月がすぎました。
やっとプロジェクトがわかってきた気がします。
全体像をつかみ
現場の細かな活動も把握でき
ようやく全体と部分の関係もわかりかけてきました。

それに事務手続きも少しずつ勉強しています。
国連プロジェクトの事務はとても複雑で
たくさんの決まり、手続きがあります。
わたしは主にプロジェクトの実施面を担当しているので
事務のほうはまだまだ理解が進んでいません。

でも、事務手続きもしっかり把握しておかないと仕事が進みません。
たとえば、外部人材の活用はプロジェクトでの必須事項です。
外部に委託するときは、基本的に2つのオプションがあります。
業務をNGOや会社などの外部組織に
委託契約する方法(sub-contract)と
プロジェクトの中で短期要員として雇用する方法
(Special Service Agreement=SSA)です

前置きが長くなりました。
きょうは、村で保健教育を実施するために
このSSAという形態で外部から人を確保する手続きを行いました。
既存のエリアでは2年ほど前から保健教育を実施しています。
これはNGOへの委託契約という形をとっています。
ですが、規模拡張に伴って新しく対象地域となったエリアでは
プロジェクト内で実施していくことに決めました。
そのほうが柔軟かつ効果的な保健教育を提供できると考えたからです。

SSAという契約形態で人材を確保するには公募が必要です。
業務指示書(TOR)を作成して、公示します。
現場スタッフと相談した結果、保健教育の実施体制は
全体を統括する専門家1人と
エリアレベルでの統括を行う専門家6人で構成します。
わたしのほうで、それらのTORを作成しました。
できたTORをきのう公示しましたので
応募を希望する人たちは履歴書を送ってくることになります。
締切は6月24日。
そのあとは候補者の絞込み(shortlist)を行い
15人ほどを面接する予定です。

現場で実施するには、さらに詳細な仕組みが必要です。
この計画もほぼ完了しています。
あとは現場スタッフやボスのご意向をあおぐだけです。

*

  1. 2005/06/14(火) 19:27:04|
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保健教育リーダー

2005.08.23 Tue

462村落を対象に保健教育を始めます。
このために52人を新たに雇います。
かなり大がかりなプログラムです。

これまでにも既存の対象地域にある383村落で
NGOに委託して保健教育をやってきました。
でも今回は外部へ委託はせず、
プロジェクトの中で人を雇っておこないます。
いわゆるイン・ハウス(in-house)というやつです。

保健教育の内容はとりあえず置いておいて
このプログラムのためにミャンマー人の専門家を雇いました。
52人の保健教育チームのリーダーになる人です。
何人も面接をしましたが、なかなかよい人が見つからず
最終的には、政府機関で30年以上も保健教育をやってきて
いまは定年退職となった元役人さんを雇うことにしました。

この人とわたしで保健教育を引っ張っていきます。
でも、この人がなんとも頼りない。
役人だったからなのか、英語で話すのが苦手なのか、
はたまた外人の前で緊張しているのか、
いつもすごく堅いのです。
表情も、身ぶり手ぶりも、話し方も、歩き方も
すべて堅いのです。

できるだけリラックスできるように気を遣っているのですが
まだまだ慣れないようです。
やはり30年以上の役人体質が身にしみているのでしょうか。
言われたことを忠実にこなすことを大切にしているようです。
わたしには何度も、
「あなたの指示どおりに動きます」
というのですが
わたしはその都度
「自分で考えてやってください」
と言っています。
まあ、かんたんには通じないものです。

そうそう、PCについて話していたときのこと。
研修プログラムなどすべて手書きで持ってくるので
「PCを使うことができますか?」
と質問しました。
もちろん、面接のときは「大丈夫」と言っていました。
質問されると、またまた堅くなって
「は、はい。練習すれば、すぐに…。」
なんて、あいまいに答えていました。

そこで、その場では、
「じゃ、この研修プログラムをPCでタイプして
 印刷してもってきてください」
とお願いしました。
でも、よくよくきいてみると
PCを使ったことがあるとはいえ
ゲームをやったことがあるぐらいで
ワードやエクセルなど実務ソフトは使ったことがないようです。
これじゃ、タイピングもできないでしょう。
あー、これは先が思いやられるなあ。

ただ、この人、
保健教育に関しては決して只者ではありません。
経験と理論の両方に裏打ちされたものをもっています。
現場での経験も豊富で、やはりもともと現場向きの人なのでしょう。
ただ、今回はマネジャーとして活躍してもらわないと困ります。
わたしと合わせて一人前という感じでしょうか。
お互いに学ぶことも多いようなので
まあ、辛抱強く力を合わせてよい保健教育をやっていきます。
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  1. 2005/08/23(火) 23:45:46|
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保健教育リーダー続編

2005.08.24 Wed

きのう話した保健教育の専門家ですが
そのPCスキルが露呈されました。

「なにせパソコンを習ったのが2年前なもんでぇ…」
なんて言い訳していましたが、
どうみても、PCなんか触ったことがない「ただのオッサン」
だって、
アプリケーションを立ち上げることも終了させることもできないし
シフトボタンを押して大文字にすることすら知らないんですよ。
彼がつくった手書きの研修プログラムも
タイプして印刷するのに何日かかることやら。
あーあ、結局はわたしがやることになるのかなあ。
ふつうにやったら1時間もあれば終わる仕事なのに…。

ミャンマーの役所のお偉いさんや大学の先生がたというのは
ふんぞり返っている人が多いということがよくわかりました。
役所や公立大学なんて失業対策みたいなところですから
ヒマそうな人がとにかくあふれています。
だいたいどこでも、偉い人にはアシスタントがついていて
何でもかんでもやってくれるようです。
年長者、上司を敬うミャンマーですからね。
イヤとは言えません。

今朝、話をしていると案の定
「アシスタントがいたほうがいいなあ」
みたいなことを言うのです。
よくよく聞いてみると
彼が役所や大学で働いていたときには
必ずアシスタントがいて
書類なんかもすべてタイプしてくれていたらしいのです。

「でも、国連ではそんな人間はいらないですよ」
と、わたしが冷たくいうと
顔をこわばらせて否定していました。
「いやいや、そういう意味じゃなく…
 技術面でのサポートが必要なんです…。」
苦しまぎれに話を変えたのがミエミエでした。

でも、コンサルタントとして雇っているのに
この体たらくでは納得がいかん。
「今年中にがんばらないと来年はないですよ」
とは言っておきました。
すると、いつものように堅い笑顔でごまかしていました。

まあ、こちらは呆れてしまって怒る気にもなりません。
なんだか憎めないキャラなんですよ、このオジサンは。
もう雇ってしまったことですし
保健教育という専門分野では経験も知識もあるわけですから
乗りかかった舟
あとは彼の足りない部分を補うようサポートするだけです。
これも人づくり、目標達成の一環です。

いまは自分の忍耐力の強さに自分でも感心していますが
さあ、この忍耐はいつまで続くのやら…。
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  1. 2005/08/24(水) 23:48:40|
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保健教育のデザイン

2005.08.25 Thu

きのうは愚痴っぽくなってしまいましたが
よくよく考えてみると
これはわたしにとって大きなチャンスのようです。

このオジサンは保健教育のトレーナーとしては優れいているのですが
マネジャーとしての視点が抜けてしまっています。
これは、彼がもってきた研修プログラムを見て納得しました。

保健教育は大きなプロジェクトの中のコンポーネントの一つ
つまり、ミニ・プロジェクトのような位置づけです。
わたしは、なかなか全体のマネジメントには関われないのですが
ミニ・プロジェクトのように考えれば
プロジェクト・マネジメントのよい経験がつめそうです。
専門家のマネジメント能力の欠如が
わたしにとっては経験を積める大きなチャンスなのです。

そう考えて改めてこの保健教育を考えると
いろいろなことに気づきました。
自分の中でブレイン・ストーミングをしたあと
類型化してみました。

《目標の達成》
村人の健康改善を第一に考え
そのための活動(教育)をおこなうよう徹底する。
(組織を逆ピラミッド構造で捉え
 上司は部下の、スタッフは村人のニーズに応える)

《期間》
母体であるUNDPプログラムの期限が2005年12月なので
保健教育の期限もとりあえずあと4ヶ月です。
ただ期間延長の申請中で、承認されるとあと2年はあります。
この4ヶ月は、その2年間の延長が決まったことを前提に
保健教育プログラムの準備と考えることもできます。
まずは、この4ヶ月を「仕組み」づくりにかけるべきではないか。

《スタッフのマネジメント》
新たに雇った保健教育のスタッフに対しては
それぞれの役割と責任を明確にし
最終的な成果に対して責任を負わせる。
わたしの頭の中ではクリアーなのですが
雇った人たちに理解してもらうのは時間と工夫が必要です。
言葉の壁や考え方の違いも大きいですね。
彼らが働きやすいような環境をつくります。

《スタッフの役割と能力》
保健教育のスタッフはトレーナーとしての役割も大切ですが
活動のマネジメントにも同等に力を入れるべきです。
ですから、9月1日から始まる研修では
トレーナー、マネジャー両方のスキルを学びます。
マネジメントに関してはほとんど経験も知識もない人が多く
スキルやツールを身につけてもらう必要があります。

《マネジメントのシステム化》
・現場スタッフがその役割を果たせるように環境を整える
・時間管理を目に見える形で視覚化して徹底する
・アジェンダ、工程表など
 ミーティング(会議)のスキル・ツールを習得する
・あわせてアジェンダ、評価などのフォーマットづくり
・教訓などの共有の場をつくる

意味がわかりにくいかもしれませんが
ブレストですのでご勘弁を
のちのち詳しく説明します。
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  1. 2005/08/25(木) 23:28:59|
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保健教育の実施体制

2005.09.01 Thu

きょうからまた研修が始まりました。
9月15日には現場で保健教育をスタートさせるために
その指揮をとる人たちを研修しています。

わたしが勤めるCDRTは
ミャンマーの国境地帯5州に散らばる837村落で
約40万人を対象とするプロジェクトです。
交通アクセスは想像を絶するほどたいへんです。
近くの街から歩いて4日や5日かかる村も多くあります。
首都ヤンゴンからは村レベルの活動を
マネジメントすることはとてもできません。
ですから、村の人たちの生活改善をうまく支援できるかは
現場スタッフの能力によって大きく左右されます。

今回の保健教育では全体の約半分である
454村落、約20万人を対象にします。
各村で保健指導員を一人ずつ養成して
その人たちに村人たちへの指導をしてもらいます。

いま研修をおこなっているのは
エリアレベルの保健教育スタッフ(AT)で
村レベルとの間にはもう一つのレベルがあります。
10村ぐらいの集まりをクラスターとよび
そこにスタッフ(CT)を一人ずつ配置します。
実は、エリアとクラスターの間には
タウンシップ(郡)があって
CDRTの活動はそこが中心をなっていますが
保健教育はエリアとクラスターを直接つなぎました。
つまり、保健教育の実施体制をヤンゴン本部から見ると
エリア⇒クラスター⇒指導員⇒村人
となり、これでも村人までかなりの段階を踏むことになります。
中央集権的な構造を持つ組織の宿命ですね。

ヤンゴン本部から管理するのは不可能ですので
保健でも他の活動でも、
エリアまたはタウンシップに活動の管理を任せています。

研修を受けているエリアトレーナーたちは
9月10日あたりに現場へ向かい
着任後すぐにクラスタートレーナーの研修にあたります。
辺境地域ということで
怖気づいているちょっと頼りない人もいますが
何とか仕事をこなしてくれるでしょう。
また、そのためのサポートをしていきます。
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  1. 2005/09/01(木) 23:32:52|
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